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「この度は、誠にご愁傷様でございました……。」
椅子に座ると、まず担当が深々と頭を下げて挨拶をする。
「え?」
「残念な亡くなり方でした。さぞかし不本意でしたでしょう……。」
俺は、やはり死んでいたのか?
「え? 俺……死んだの?」
「あぁ……確かにあの状況では、ねぇ……。」
何やら俺に関する資料を見ながら、うんうんと担当は頷く。
そして、
「ご希望があれば、最後の瞬間を確認できますが……」
と、俺にタブレットを差し出してきた。
「もちろん見る。」
自分がどうなったかを知りたい。
もし、最期の記憶が確かならば、俺は誰に、どうやって殺されたのか。
それが分かれば、とりあえずはすっきりするというものだ。
「最期が皆、綺麗なものとは限りませんよ?」
「早く見せてくれ」
俺が担当に詰め寄ると、担当は小さなため息を吐き、言う。
「後悔しないでくださいよ……。」
担当が自分の手元のパソコンを操作すると、俺が受け取ったタブレットに映像が流れ始めた。
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