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「……見なきゃよかった……。」
俺の最期は衝撃的だった。
死に方がではない、俺の人生を終わらせた人物が衝撃的だったのだ。
「俺を殺したの……通り魔とかじゃなくて、元カノかよ……」
俺が2番目に付き合った彼女。
比較的交際期間は長く、4年も一緒にいた。
別れた原因は良く分からない。
一方的に別れを切り出され、渋る俺を置いて同棲していたアパートを出ていき、音信不通になった。
俺にとっては『謎の女』だったのだ。
「……はい、切り替えましょうか。」
ショックで呆然としている俺に、担当は笑顔で言う。
「最期を見た人は、その最期を踏まえた上での『コンティニュー』も可能です。詳しくはタブレットを見てください。」
俺は失意のまま、タブレットを見る。
・綺麗さっぱりコンティニュー
・強くてニューゲーム
・直前からコンティニュー
タブレットには、まるでゲームの画面のように文字が表示されていた。
「なんだ、これは?」
「はい、『人生コンティニュー』のメニューです。」
担当は淡々と俺の質問に答えた。
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