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44歳の夏、俺は殺された。
家と職場を往復する毎日。
彼女ができ、別れまたできる、そんな生活を繰り返すうちに、もう44。
結婚適齢期などとうに過ぎ、もう独身貴族へ一直線だった俺。
そこそこモテたし、人当たりも良い方だと思ってたから、別に結婚などしなくてもいいかと思っていた。
自分のしたいことをして、食べたいものを食べて、仕事でそれなりに金を稼ぐ。
そんな生活に満足していた、ある日のことだった。
気の合う仲間たちでの飲み会が終わり、少し飲み過ぎた俺は風に当たって酔いを醒まそうと、普段は電車で帰るところ、一駅分歩いて移動することにした。
それが間違いだった。
深夜の道。
職場から近い飲み屋でいつも飲んでいるが、閉店する頃には近くの道は人通りが少ない。
こんな時間に歩いてるのは、俺たちのような酒好きくらいのものだ。
酒好きくらいのはずだった。
そんな路上で、俺は背後から刺された。
何故?
そんなことを考える間もなく、俺の意識は遠のいていった……。
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