5 雨上がりの空に…

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 次に、朋希が目を開けた時には、救急車に収納できるストレッチャーに乗せられた時だった。  朋希が目を覚ました事に気がついた救急隊員が声をかけてくる。  「気がつきましたか?」  雨はすでに上がっている…。  どのくらい意識がなかった…?  虹はもう、出てしまったのだろうか。  それとも………  「あの…虹…」  「虹?」  「虹は、出ましたか…?」  「あ…いえ。見ていませんけど…」  幸助は…間に合わなかったのか…。  もし、そうなら、俺のせいかもしれない……。    救急隊の準備が整って、ストレッチャーが収納されようとしたその時。  「あ…」  さっきの救急隊隊員の声が聞こえて、顔を上げる。    虹だ。  でっかくて色がくっきりした、きれーな虹。  朋希の視界がにじむ…。  見逃したくなくて、雑に、何度も何度も目元を拭いながら、虹を見続ける。  「……なんか良いことありそうですね」  「そう、ですね。そうですね…」  救急隊員は、朋希の様子に何かを察したのか、しばらくそこに止まってくれる。  朋希は、その虹が消えるまで、見続けた…。      
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