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5 雨上がりの空に…
…足が重い…
土砂降り…というわけではないのに、ポンチョを伝って落ちてくる雨が重い…と、朋希は思いながら歩いていた。
休憩所を出て、まだわずかしか経っていないはずなのに、ぬかるんだ足元と、降り注いでくる雨が体力を奪ってゆく。
コウは、そんなに疲れた様子もない。
このままだと、おそらく自分が足手まといになってしまうかもしれない…もしも、時間に「神様の標」にたどり着く事が出来なかったら、幸助は…そうなる前に、別れた方が良いかもしれない。
「コウ……」
呼びかけにコウが振り返ったその瞬間。
ぬかるんだ土に足を取られた朋希の体が、ふらりと傾ぐ。
あ!と思った時には、朋希の身体は山の斜面へ落ちてしまう。
「朋希ーーー!!」
あっという間に朋希の意識は飲み込まれた…
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