【BL】試してみましょう

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森川が一生シャワーから出てこなければいいと願ったが、そうもいかなかった。 ガウン姿の森川は首にタオルをかけている。 「なんか、俺のガウン小さいと思いません?」 160センチ程度の森川にはジャストサイズだ。 「いや、お前チビだから。」 「穂積先輩。さっきから俺の扱いがぞんざいですね。クサイとかチビとか。ハラスメントですよ。」 ソファーに座る俺の横に、隙間を開けて座った。 「歯は磨いたのか?」 「磨きましたよ。マウスウォッシュも使いました。」 森川は何でもないように俺の飲みかけのペットボトルの水を口に運んだ。 「森川。自分の分は自分で持ってこい。俺がそれ飲めないだろ、もう。」 「じゃあ、俺から飲ませてあげますよ。」 森川はまだ、酔ってるんだろうか。 「穂積先輩。抱きしめたいです。」 「さっき、後ろから抱きしめただろ?シャワー浴びる前。」 「そうでしたか?」 コイツ健忘症か? 「じゃあもう一度抱きしめたいです。」 目を細めて口角を上げる。 かわいい。いや、かわいいってなんだ。 もしかしてコイツ。年上を狙って生きてきたタイプか。かわいい猫みたいな顔して年上の女とにゃんにゃんしてきたのか。 「もう抱きしめさせてくれないなら頭撫でてください。俺、いつも仕事頑張ってますよね。ご褒美ください。」 急にくるんだ、コイツ。 てか、俺に何を甘えてんだよ。まあ、頭くらいは撫でてやってもいいけど。 森川の頭の上に手を伸ばして、鷲掴みにしてから左右に手を動かしてみた。 「ワイパーみたいで気持ちよくありません。もっと、指の腹で頭皮を撫で撫でと優しくやってください。」 めんどくさ。元彼女は、コイツのこういうとこがめんどくさくなったんだろう。 しかし、言われた通りにすると気持ちの良い時の猫みたいな顔になった。 「…こ、こうなの?」 「気持ちいです。」 もし今、顎を撫でたらゴロゴロ言いそうだ。 それにコイツの髪の毛、女の子みたいに柔らかい。サラサラしてるし。触ってて俺も気持ちいい。 「…あ、頭はもう結構です。」 「は?」 「次は、俺を膝に乗せ背中を撫で撫でとして優しく甘やかしてください。」
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