episode2 そんなものを発見するんじゃない!

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「帰国前夜の夜会で、魔王陛下と何曲も踊ってましたよ、こいつ」 「じゃあ他の誰と踊れってのよ。将軍とも踊ったわよ、和解しましたアピールのために」 ドレスを贈り付けてきて、ダンスの申し込みをしてきたのも陛下から。 断れると思う?そこまでお世話になっておいて、あなたと踊るのは嫌ですって言える? 「英にいは運動神経がゴミなので、相手側がよほど上手にリードしてくれるご令嬢でなければ無理。私も魔王国でのダンスの作法なんて適当でしたから、それを許してくださる魔王陛下くらいなもんですよ、誘ってくださったのは。私から踊ってほしいと嘆願しておりません」 それどころか、脚がもつれるたびに私が転ばないよう魔王陛下が持ち上げて振り回すような踊り方をしたため、余計目立ったというおまけ付き。 英にいとは踊りませんですよ、向かい合って手を取り合った瞬間爆散する、心が。 お互いそれくらいぎくしゃくするであろう自信がある。 ダンスで魔王妃だのなんだのって騒がれるくらいなら・・・ 「マイムマイムを教えてくればよかったのかもしれない。そしたら魔族全員で手を繋いで輪になって」 「やめろ、異世界のダンス全体に誤解を与えるだろうが」 いいじゃないの、魔王陛下とお貴族様たち全員手を繋いで中央に向かって「マイムマイム」って言いながら寄っていくのよ。 きっと陛下と臣下たちの距離が縮まると思うの、実現したならばだけど。
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