episode2 そんなものを発見するんじゃない!

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この世界での婚姻事情は知りませんけれどね。 どうせ王族貴族のご子息ご令嬢の方々の大半は、政略結婚だったり家格に合う相手を親同士がセッティングしたりってなもんなんでしょう。 平民ならば自由恋愛からの好きな相手との結婚はあるのかもしれない。 とはいえ、私の想像はあくまでも異世界人がこれまでのゲームやファンタジー本の体験経験からくるものであって、違いますと言われたらそうですかと言うしかない。 しかも、きっと人間国と魔王国では婚姻に関する常識も違っていそう。 力ある者のところに力ある者が嫁ぐ、そんな感じなのでは? そこに家格が付属品で付いてくる感じなのかなあ。 家格で言えば、私は人間でしかも生まれも育ちも平凡な生粋の平民。 相手は魔王国の国王陛下様ですよ。 釣り合うわけがなかろう。 そう主張してみるも、味方であるはずの英にいから反論が。 「相手が人間国側ならそれも通用しただろうけどな。魔王国ってのは力がすべて。魔王陛下に至っては世襲制ではなく魔王としての資質をもって生まれた者が次代を引き継ぐから、その伴侶として選ばれるならば力を示さないと潰される。弱い伴侶なんて国全体が認めないだろうからな。その点、おまえはへっぽこ魔法しか使えない異世界から来た平民人間であるにも関わらず、機転閃き非常識極まる型破りな実力で魔王国将軍を決闘で叩きのめした勝者なわけだ。これ以上強い女が魔王国にいるとでも思うか」 何かいろいろ引っかかるのは何故。 機転と閃きは誉め言葉として受け取っておきましょう。 その場その場で臨機応変な対応も、コミュニケーション力の一つなのよ。 非常識とか型破りとか、そんなの実力って呼べる!?
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