episode2 そんなものを発見するんじゃない!

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「どうしよう・・・英にい・・・」 人間国も魔王国も全部ひっくるめて、魔王陛下はかなり好意がもてる男性ではありますよ? あるけれど、いまだに私の中ではあの超絶美形巨大角付き魔王様が私なんぞではなく美形青年や美少年とイチャイチャしてくれる方が推し活できそうな気がするんだもん。 それって恋愛感情ありとは判定できないと思うの。 そんな魔王陛下のところに嫁いで、しかも私が嫁ぐことで生駒さんたち全員まとめて見知らぬ魔王国に移住計画なんて実行されたら、申し訳なさで禿げる! ここは、ヴァンダールフトにおけるトリュステン王子、魔王国におけるジリオンさんの両名に匹敵するアラテガワの出来すぎくんの英にい、いい方向へ話を進めてくれい! 「俺の予想を話してもいいですか」 英にいが発言許可を求め、女王陛下とトリュステン王子が許可しました。 「おそらく魔王陛下はこいつが芯から嫌がったら嫁にするなんてことはしないと思うんですよ。こいつがほだされちゃったら、即結婚くらいには望んでいるんでしょうが。10年というのは、こいつに対しての魔王陛下なりの贈り物みたいなもんだと思います」 「贈り物?」 女王陛下たちが首を傾げ、私もきょとん。 「10年という時間をやるから、自分が惚れた女の身の上に責任がある人間国側が全力で望みを叶えて元の世界に戻してやれっていう人間国側への檄じゃないんですかね。それで俺たちアラテガワ領民が、こいつも含めて元の世界に戻り魔王妃計画が頓挫してもそれでよし、アラテガワ領民が元の世界に戻れるよう、人間国がもっと頑張れってことなんじゃないかと推測します」
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