episode2 そんなものを発見するんじゃない!

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つまり、魔王陛下は婚姻と移住計画をちらつかせることによって、私たちが一日でも早く元の世界に戻れるよう圧をかけてくれているってこと? じゃあ、魔王妃にならなくてもいいってことじゃん。 「ただ、魔王陛下とて期限も決めずに待つ気はない、と。こいつを魔王妃にしたいって要望も嘘じゃないでしょうから。だからこその10年で、その間に俺たちが元の世界に戻れてもよし、戻れず魔王国に移住して亜麻音が魔王妃になってもよし、どう転んでも自分はそれでいいと言っているんだと思います」 「つまり、私たちが禁呪であなた方を召喚してしまった責任を、保護だけでなく元の世界に戻すということで果たせと、それが真の要望なのですね。そこに10年という期限を魔王国の要求として加えたと」 「どう返答するかの判断は、女王陛下とトリュステン王子にお任せします。どちらにしろ、魔王国に勇者発覚の報告をしなけりゃいけないでしょうし。清里ちゃんのときのように、同じメンバーで宣誓の魔法を使って他言無用の極秘事項契約をするために、向こうからまた魔王陛下、サキュベリス参謀、ハルピュイア副将軍がこちらに来ることになるでしょうね」 3日前にバイバイしてきたってのに、もう会っちゃうんだ、あの人たちに・・・ 全然お別れ気分じゃないじゃーん。 たぶん魔王陛下は嬉々としてゲートを潜ってくることでしょうよ。 ジリオンさんは、「発覚するにしてもタイミングというものがあるでしょう!それさえわからないとは、何たる無能!」とか文句を言ってきそう。 パルマさんなら・・・うん、パルマさんならいつ来てもいいわ。 ついでに今回持ち帰れなかった献上のお土産品をいくつか持ってきてくれるでしょう、ありがたや。
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