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『あなた方の中の勇者が判明しました』
『しかも、このアラテガワ領内ではなく城内で』
魔王国から戻ってまもない私たちの元にやってきたトリュステン王子の口から発せられた言葉に、アラテガワ領内の空気が凍り付いております。
そもそも、私と英にいが帰還した時に、生駒さんたちが勢揃いしていたことがおかしいのだと気付いた。
我々は一般庶民、働かざる者食うべからざる。
いかにヴァンダールフト王家が保護してくださっているとはいえ、何もせず漫然と好待遇を享受するのはよろしくない。
働かない無駄飯ぐらいどもと思われたら、保護から軟禁、幽閉に変更されたっておかしくないんですもん。
私たちに好意的であった方が利益がありますよと考えていただかなくてはならなかったのです。
そこに加えて、生駒さんも野瀬さんも働けるうちは働きましょうという考え方の持ち主。
独り暮らしで、ご家庭で細々ながらも趣味の教室を開いて生徒さんたちに教えてきた野瀬さんは、召喚されたメンバーの中で一番高齢であるにもかかわらず労働し続けている方と言ってもいいでしょう。
また、定年退職で教職の現場から去った生駒さんですが、毎日マラソンをして体を鍛え、町内副会長も二つ返事で引き受けていたことから、自分にもまだまだ働けることがあると大喜び。
年配のお二人がばりばり働いたら、そりゃあ私たち若者がぐうたらしているわけにはまいりませんわ。
てなわけで、私たちが働いたらそれに見合う報酬をいただくということで、王家からお仕事をいただきお給料をいただいておりました。
そんな日々だったので、生駒さんたちが朝食を終えて昼間っから自宅として使っているこの離れの中にいることがおかしい。
それはとりもなおさず、我々異世界人が外出を控えなくてはならない事態が起こったということになるわけですよ。
で、トリュステン王子の爆弾発言。
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