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その宣誓ですが、どこで行うのがいいかと言うと、結局はヴァンダールフトになっちゃうんですよねえ。
しかもアラテガワ領。
何しろアラテガワ領の物置小屋の中に、魔王国直通の秘密のゲートがありますから。
宣誓前に、野瀬さんが本物の勇者であることの証明を魔王陛下に確認していただく必要だってあるでしょう。
じゃあ野瀬さんがわざわざあの勇者の剣ならぬ薙刀を持って魔王国に行けばいいのかというと、さすがに許可は下りない。
私と英にいが魔王国に行くってなったときも、お貴族様方を説得するのに本っ当に苦労したんだから!
主だったお貴族様たちを議会で説得して戻ってきた英にいは、疲れ果ててテーブルに突っ伏してましたからね。
詭弁と屁理屈をこれでもかと駆使して押し通した魔王国行きなので、腹に一物ある禿げぷよ公爵たちより王族へ固い忠誠を誓っている忠臣の皆様方の心証を下げまくっての了承ゲットでしたのよ。
なので、私と英にいはこれからお貴族様たちに魔王国訪問の成果を報告する義務があります。
だというのに、まだそれをしていない状態で野瀬さんが魔王国に行きますとか、今度はトリュステン王子がとかは絶対に言い出せるはずもないし実現するはずもない。
となれば、やっぱり魔王陛下御一行がこちらに極秘に来るしかない。
とりあえずは宣誓のためだけに。
そう、宣誓と交易交渉の場は分けて考えましょうってことですな。
ああもう、面倒くさいったら!
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