1428人が本棚に入れています
本棚に追加
そりゃもう説明を求む!ってなりますでしょ。
私も英にいも、本来であれば魔王国内でのことを登城して女王陛下に報告しなくてはいけない身。
わざわざ根回しして、王族の皆様方だけでなく主だったお貴族様たちまで説得しての魔王国行きだったんですもの。
一番報告しなくちゃいけないのは、魔王陛下が今後は魔王国と人間国との交流を進めていくことに非常に積極的で、それを国民に宣言したということ。
それを開始するにあたって、人間国側にだって相応の準備がいります。
ついでに、偽の魔王妃陛下呼称問題と、こげだけを呼び出せるなんちゃって召喚士疑惑も報告しないわけにはいかないでしょう。
それをストップしてでもこのアラテガワ領内で話し合われなければならない問題、それが勇者発覚問題ってことですな。
マジか・・・どうしてこう次々と問題が起きるのよ。
「すみません。俺もこいつも魔王国から戻ってきたばかりで、ことの経緯がわからないのです。誰の口からでもいいので、教えていただけませんか」
トリュステン王子が説明してくれるならそれでもいい。
ただ、この中で勇者認定された人がいるなら、本人もわかっているはず。
とにかく誰か説明して!
「もちろん私が説明させていただきます。ですが、真相というか、本当にどのようなことが行われたのかは勇者ご自身でなければ・・・」
「私はお掃除のお手伝いに駆り出されただけなのですけれどねえ」
・・・・・・はい?
トリュステン王子の言葉に続いて発言したのは、野瀬さん。
これには私だけでなく英にいもぽかんとして口が閉じられない。
え、は、どういうこと、だって勇者は。
「まさか・・・まさか野瀬さんがぁぁぁぁっ!?」
「嘘だろ!」
最初のコメントを投稿しよう!