プロローグ

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皆様お久しぶりです、もしくははじめまして。 おはようございます、こんにちは、こんばんは。 こちら、アラテガワ領より領民の一人として私こと森亜麻音がお伝えします。 名前から分かる通り、れっきとした日本人、顔が平たい民族の一人でございます。 生まれてこの方、一度も鼻が高くて彫りの深い種族に間違えられたことなんぞない。 そんな私と同じ町内の5名の総勢6名が今いるのは、日本ではありません。 町内の親睦旅行ではありません、それだったらまだましなのよ。 なんと、私たちは異世界に召喚されてしまい、まったくの未知の世界の住人になってしまっているのです。 信じられます?ねえ、信じられる? マンガや小説でよくなるじゃないですか、階段から落ちたり車に轢かれたりして、亡くなってからの異世界転生。 社畜で働き過ぎて倒れてそのまま帰らぬ人となり、目が覚めたら異世界の貴族の娘になっているとか。 そんな劇的な転生ならまだしも。 思い起こせば半年以上前の7月のある朝。
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