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どのような幻聴かと言いますと。
『我の元へ来よ』
『我の主、我を手に取るがよい』
『我の声を聞きし者、我が元へ』
ねえ、わけがわかりませんでしょう?
私自身の心の弱さから来る幻の声だと思っておりましたから、日々これ一層精進せねばと思っておりましたの。
万に一つでも本当に何かが私の心に語り掛けているとして、ならば向こうから名乗らない非礼はどういうことなのかとも思いましたわ。
来いなどと人を呼びつけるのであれば、まずは名を告げ、用件をきちんと説明するのが道理のはず。
この歳ですからねえ、我が元へ来よなどと言ってくるのはそろそろお迎えが来たのではとも考えましたのよ。
(ここで亜麻音たちから絶叫と全否定)
私だって一人の人間です、歳もとればやがて人生の幕も降りましょう。
ですからなるべく声を聞かないようにしてまいりましたのよ。
不愉快じゃございません?
名乗らず用件も告げず、ただこちらに来いなどと呼びつけるのは。
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