プロローグ

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保護されていろいろわかったのは、この世界には魔法があるってことと私たちを召喚したのは禁呪を使ってのことなので元の世界に戻る方法を解析するのが大変、下手すると戻れないかもってこと。 何故か言葉はちゃんと通じて、私たちにはヴァンダールフトの言葉が日本語として聞こえるし、私たちの話す言葉はきっとヴァンダールフトもしくはこの世界の言語になってこの世界の人たちに聞こえているのは助かりました。 意思疎通が図れるのは本当にありがたい。 ただ、魔法の詠唱が英語に訳されているのは納得できない。 文句を言ったら英にいに「じゃあ、古文や漢文になってたらよかったのかよ」と反論されてしまいました。 それも無理、ありおりはべりいまそかり、春はあけぼの大相撲、ようよう白くなりゆく空は徹夜の目に染みて涙が出たとかくらいしか言えない。 BL精舎の喘ぎ声、大興奮の響きあり、沙羅双樹よりバラの花、腐女子必見の理をあらわすとか言い換えて覚えていたので、つまり魔法詠唱が古文でなくてよかった。 中学高校生の皆様、授業は真面目に受けましょう。 私たちを呼び出した大バカ王子くんは必罰もののやらかし野郎でしたが、トリュステン王子やリエンヌ女王陛下はじめ王族の他の皆様方は私たちを非常に手厚くもてなし保護してくださったのですが、それにはヴァンダールフトが他の同盟国に内緒で勇者と聖女を自分の国に呼び寄せたと非難されるのを防ぐためと、異世界の知識が他国に流出するのを防ぐ、二重の意味で徹底した防止策を張り巡らさないといけなかったというのが背景にあります。 それほど異世界の文化や知識はこちらの世界にとって有益にも危険にもなりうるものなわけです。
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