プロローグ

6/9
前へ
/111ページ
次へ
保護され、とにかく自分たちの状況の把握と今後の対策として、私たちは各自この世界の把握に努めたわけですが、その際城下町でポケットティッシュを質に入れたらとんでもない大金と交換されて、これはダメだ!絶対に取り戻さなきゃ!ってなりましたもん。 ポケットティッシュに何十万円も出す?普通。 ティッシュという柔らかく上質な紙が、1枚ずつ取り出される折り方もさることながら、ティッシュを包む透明なビニール素材もこちらの世界では仰天物の新素材だったわけです。 そりゃあ王家の皆様も焦るわ! 異世界の知識が制限なく駄々洩れになったら、国内の経済が大混乱に陥りかねない。 異世界人争奪戦でも起ころうもんなら、内乱必須。 さらに同盟国からもいちゃもんつけられて一触即発なんてことになったら、禁呪を使ったヴァンダールフトの立場最悪。 よくもそんな事態を予測せずに私たちを召喚してくれやがったな、クロードくんよう。 そのクロードくんも、話を聞いてみれば幼い頃から反王族派に取り込まれて偏った教育を施されてきたことが判明、根は悪い子じゃないとわかったので現在は王位継承権の凍結と魔法禁止(そのための魔具を常時装着)、アラテガワ領預かりという罰を受けております。 あまりにも出来の悪い弟分をもった気分を満喫しているっていうのが本音ですわ。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1351人が本棚に入れています
本棚に追加