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女王陛下にこげを披露するために、私はこげを呼びました。
「召喚、こげ。おいで」
意識を集中すると、私の腕の中に生温かさが広がりました。
何回やっても感動するもんだ。
「この子です。うちのこげです。正式な名前はこげ丸です。ちなみに女の子です」
ついでにいうとシニアなおばあちゃん猫なんで、優しく接していただきたい。
さらに言えば、生前は私の姉貴的ポジションだったんで、簡単な指示は聞いてくれるようになりましたが完全使役は無理だと思う。
猫だし。
「まあ、なんて愛らしい!触れても大丈夫なのかしら」
そうでしょうとも、そうでしょうとも、うちのこげは大変愛らしいでしょうとも。
私はこげを抱き上げたまま、女王陛下のお側までこげを連れていきました。
こげに触れる女王陛下の指が、これまた細く白くたおやかで、同じ人間のはずなのにどこで造作に違いが出るんだろうと複雑な気持ちに。
神様って残酷。
「可愛らしいわ。皆様の世界にはこのような生き物がたくさんおりますの?」
「そうですね。ペットとして愛玩されている動物は多いですよ」
犬、猫、ハムスター、モルモットは定番中の定番。
ウサギもですね、フェレットもかな。
鳥類、爬虫類、両生類、魚類、もれなくなんでも飼育してますな、我々は。
昆虫だって愛でちゃう人は愛でちゃうし。
そう考えると、人間の許容範囲って広いというか、好みの幅は無限大なのかもしれない。
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