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女王陛下に何度も撫でられて、こげは私の腕の中でぐるぐる言っております。
トリュステン王子が「威嚇音ではなく、機嫌がいいときの音だそうですよ」と女王陛下に教えておりました。
魔王国でも疑われてたな、こげのごろごろぐるぐる。
「見せてくださってありがとう、アマネ」
女王陛下が堪能されたようなので、こげには消えてもらいました。
私の腕の中のこげがすうっと消えていく様子に、陛下たちは驚いた様子。
そりゃあ出しっぱなしってわけにもいかないですし、一応召喚士(仮)なので出し入れ自由なところまで魔王国で特訓して習得してまいりましたわよ。
「本当に幻獣を意のままに召喚できるのですね。他の幻獣も呼べるのですか」
「陛下のご期待に沿えず申し訳ありません。どうやら私の召喚はこげ専門みたいで」
ただし、将来的にはドラゴンをと言い掛けたら、英にいが大きい咳ばらいをして私の言葉を遮りやがりました。
なによう、ちょっとした意気込み披露しようとしただけじゃないの。
トリュステン王子からも、席に戻って結構ですよとやんわり止められたのは、私の発言に不穏を感じたからでしょうか。
そんなにドラゴン呼びたいってのはいけないことなの?
「亜麻音ちゃんなら、そのうち不死鳥とかも呼び出せそうだねえ」
フェニックスですね、生駒さん、それもいいかもしれない。
たぶん大きくて綺麗な鳥でしょう、羽根一つにも希少価値付きそう。
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