episode2 そんなものを発見するんじゃない!

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「日本人でしたら鳳凰かしら。麒麟でもよろしいかもしれませんね。瑞兆ですし」 野瀬さん、もしや私に試練を課そうとしてます? やっとこげを出せるようになった人間に、麒麟を要求しますか。 師匠の課題が高すぎる問題。 「亜麻音ちゃんならデュラハンとか呼べるようになりそうだよね。ほら、馬に乗った首なし騎士。ゲームにも出てきてたから覚えてるんだけど、わかるかな」 わかりますが、そんなもんを呼び出した日には私の評判が恐ろしいことになると知ってのことですか、戸田さんよ。 首無し騎士を従えて城内を練り歩く召喚士(仮)亜麻音・・・印象が悪すぎる! 「そもそもおまえが普通の平民女性でいられるはずがなかったんだよな」 「どういう意味かな、英にい。私はごくごく平凡な一般ピーポーじゃないの」 「はっ!」 最後のは鼻でせせら笑われた音ですわよ、失礼しちゃう! ともかくも、女王陛下の御前で初心者召喚士っぷりを披露し、こげを呼び出せる証明はさせてもらいました。 我々アラテガワ領民、ヴァンダールフトに不当に召喚されたとはいえ恩も受けておりますので、ちゃーんと正直に申告しますよという証明ですね。 妙な隠し立てはいたしません。 隠さず伝える、報連相大事。 ついでに報告することで、責任も共有してもらえる。 聞いたからには王家も我々と一蓮托生。 あくどいと言っていただいて結構、異世界で平穏無事な生活を勝ち取っていくためにはこちらも無策なままではいられないのよ。
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