1355人が本棚に入れています
本棚に追加
「アマネ。素晴らしい能力に目覚めたのですね。この世界にあなた方を理不尽に召喚してしまい、心から申し訳なく思っていましたから、ここであなたが新しい力を身につけて皆を守ることができるようになるのは大変喜ばしいことです」
女王陛下は私が召喚士(仮)であることを賞賛してくださいました。
本心では『この異世界人やべー』と思っているかもしれませんが、少なくとも表面上は祝福してくださっているようにしか見えない。
一国を統べる賢女王が、こんな得体の知れない能力に対し純粋に喜んでくれているはずはないと思いつつも、心の中でかなーり申し訳ない気持ちになっちゃう。
すいません女王陛下、責任共有だの一蓮托生だの腹黒いことを企んでて。
「あなたの召喚獣は愛玩動物にしか見えませんが、それでどうやって魔王国の将軍との決闘に勝てたのですか」
やはりそれを話さなくてはいけませんかー。
トリュステン王子、決闘の話を聞いたとき戦い方云々より私が決闘したってことに驚いて詳細を聞いてませんでしたもんね。
こげを召喚しての勝利だとは伝えましたが、天国気分を味わってもらって昇天してもらいましたとしか言ってませんでした。
こげたちに包まれたら、そりゃあ天国でしょうよ。
ただし、数百匹のこげたちの体重を一身に受けて押しつぶされかけ、さらに液体疑惑のある猫の柔軟な体ともふもふな体毛によって鼻も口も塞がれてましたけど。
天国と地獄を同時に味わせる戦法だったと言っても過言ではないでしょう。
最初のコメントを投稿しよう!