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「実はこげを何匹も出すことができるんですよ。そのこげたちに将軍を抑え込んでもらって勝てました」
間違ってない、嘘ついてない。
報連相は大事だけど、この戦い方は奇襲だからこそ勝てるのであって、あまり公にしたくないのですよ。
例えばこのヴァンダールフトで誰かと対峙しなくてはならないとして、こげを近寄らせるとまずいと思われて徹底的に薙ぎ払われたら、私個人は剣も使えず魔法はへっぽこ。
薙ぎ払われて真っ二つにされるこげを見た日には、こちらの戦意が喪失するってもんです。
悲しみで崩れ落ちるわ。
だから、こちらの戦法はぼやかしておくくらいがちょうどいい気がする。
「ヴァンダールフトでこげを使って戦うような状況がこないことを切に願います。なので、私が召喚士ってことを公表するかどうかは女王陛下やトリュステン王子に一任しますけど、あくまでも愛玩動物を一種類だけ呼べる程度のものと皆様に認識していただければ幸いです」
「私たちを信頼してくれてありがとう、アマネ。あなたが召喚士の能力に目覚めたことは、今はまだ伏せておきましょう。あなたが召喚士であると判明すれば、自然と他の5名の中に勇者と聖女がいると考えられるでしょう。詮索の幅を狭めるのは得策ではありません」
さすがトリュステン王子、そこまで考えてましたか。
勇者&聖女情報に比べたら召喚士(仮)なんて大したことないと思ってましたが、むしろ私以外の5人に目がいっちゃうことになりかねないわけですね。
それはよろしくない。
清里ちゃんの聖女疑惑は今のところ一切浮かんでませんが、野瀬さんが宝物庫から何かを持ち出したのはさすがに秘密にはできないですからね。
こちらは物干し竿説で押していくことになってますが、疑われる可能性はあるわけです。
野瀬さんが勇者候補になり私が召喚士ってことになったら、残る女の子は清里ちゃんのみ。
それはまずい、非常にまずい。
戸田さんの表情も、心なしか強張っている気がします。
清里ちゃんはアラテガワ全員で守らねば!
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