1話:【デバフ特化】は最強だった

10/12
前へ
/43ページ
次へ
でも、私欲に負けて、 結果的には諦めて、それで幸せになろう。 所詮、そんな奴だったのだ。 「【デバフ特化】なんて、外れスキルだからな……」 そうだ。確かに、 【デバフ特化】は外れスキルだ。 昨夜のノアの言葉を思い出して、 自分の選択が間違っていたのだと 思い返す。その時だった。 『ぴろぴろぴろ、ぴろぴろぴろ……』 かつて、聞いた事のある声が聞こえる。 「なん……だろう。この音……」 『ぴろぴろぴろ……ぴろぴろぴろ』 違う。音じゃない。 口で演出しているのだ。 誰かが口で。 でも、一体誰が……。 その時、ある人物。 人物なのかは分からないが、 何か特別な存在だったのを覚えている。 そうだ。思い出した。 「……女神、アステカ……」 『はーい』 佑樹が名前を口にした瞬間、 返答が返ってくる。 「────!?」 まさかの事で驚きが隠せない。 『急にごめんなさいね。 でも、貴方に送り忘れてたのがあって』 「送り忘れた……?」 スキルは貰った。 ならば、何を送り忘れたのか。 深く考えてみるが、何も思い出せない。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加