2話:一か八かの賭け

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水色は紫色に。紫色は金色に。 そして最後に、光が消えて、 足元の魔方陣が縮小する。 佑樹の手の甲に、 野球ボールくらいの大きさの、 魔方陣が黒色で刻まれていく。 痛みは無く、 ただ力が溢れ出てくる感覚だ。 「凄い………」 特殊な演出を見て、 佑樹が思わず、声を上げる。 『これで完全に【デバフ特化】のスキルを送りました。後は、貴方の人生です。お好きなように、異世界ライフを楽しんでくださいね、水野佑樹さん……』 アステカの声はそこで切れ、 静かな森林の中心で、 佑樹は立ち尽くしていた。 冒険者ギルドにて────。 「スライム十匹分の魔石ですね。確かに受け取りました。報酬はあちらのカウンターでお受け取りください」 スライム十匹分の魔石を鑑定士に渡し、 報酬の銅貨五枚を受け取りに、 カウンターへ向かう。 「はい、銅貨五枚です。お疲れ様でした!」 元気な声と共に、銅貨五枚が机の上に 置かれる。 「ありがとうございます」 銅貨を一枚一枚拾い上げ、 ポケットに仕舞う。 「あ、ちょっと待って──」 「はい?」 とりあえず、
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