2話:一か八かの賭け

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毒が移る。そして、もう一方もポイズンスライムに属性変幻した。 先程のスライムのいた場所を見れば、魔石が一つ、転がっていた。 「喰らわせられるのは一匹までが条件か………あまり戦闘には向いてないのかも、」 先程から、地味なものばかり 試している気がする。 少し、インパクトのあるデバフを 使ってみよう。 使用する魔力量は全魔力の約半分。 佑樹の魔力量の合計が、 学校の紙パックの牛乳、二百ミリリットルくらいだとすれば、残る魔力も半分だけ。 残りは百ミリリットルという事になる。 大丈夫という事を確認して、 早速、目の前にいるポイズンスライムに、 手の平を向ける。 そして───── 「フレイム・アビス───」 詠唱した瞬間、地面が揺れ出し、 スライムの下には、 大きく、灼熱の赤色をした巨大な魔方陣が。 佑樹も巻き込まれそうな気がしたので、 五歩くらい後ろに下がる。 そして、拳を思い切り、 握り締めると、魔方陣も同時に縮小して、 スライムの体に貼り付く。 次の瞬間──────。 地面に亀裂が入り、炎が込み上げるように 吹き出してくる。 森林一体を消し去るくらいの、 強烈な炎が。
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