2話:一か八かの賭け

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先程、 魔方陣で囲まれていた範囲の地面という地面から、炎が吹き出している。 大爆発くらいの大きな音を鳴らして、 スライムを包み込んでいる。 最終的には白い光を上げて、 強い衝撃波が生じる。 まさかの威力に、 佑樹は後ろに吹き飛び、体勢を崩し、 地面に肘を付く。 スライムのいた位置からは黒煙が上がり、 どうなっているのか、よく分からない。 立ち上がり、先程の所に戻ってみれば── 地面が抉れ、魔石がバラバラに砕けていた。 一応言っておくが、このデバフは相手に 火傷を負わせるというもの。 効果の所に高火力で高威力と 打ち込んだのだが、これ程までに、 高威力で高火力とは思っても居なかった。 「デバフってよりは魔法な気もするな……」 全く持って、 魔力量と釣り合わない。 これで半分しか消費しないのだから、 コスパが良すぎだ。 「……少し、騒がしくなった気がする……」 佑樹のフレイム・アビスの後から、 やけにモンスターの鳴き声や雄叫びが、 聞こえる。 フレイム・アビスは、 あのスライム一体に向けたので、 他のモンスターには当たっていないはずだ。 だと言って、あの音と炎。
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