2話:一か八かの賭け

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モンスターの威嚇と警戒を煽っていても、 可笑しくはない。 「フレイムアビスは余程の事がない限り、使わないようにしておこう……」 街中で暴発などすれば、 簡単に人が死んでしまう。 「もっと他にも試したいデバフはあるんだが、魔力量も残り半分だし、スライム倒して、早く帰るか……」 出来るだけ、魔力はあまり使用せずに、 乗り切る事にした。 時は過ぎ、夕陽が差し込む時刻になる。 「六匹目──!」 魔力使用量が低いポイズンを使って、 ようやく六匹目のスライムを撃破。 いつもなら、 直ぐに見つかるはずなのに、 今日は見つけるので、やっとだった。 「やっぱり、フレイムアビスのせいか……」 臆病なモンスター達は、 身を隠すよりも、遠くに逃げる事が多い。 スライムもその一匹だ。 夜が近くなってきた。 そろそろ帰らなければ───。 そう思った時の事だった。 「キャイ゛ィィィィィン!」 大きな、不快音に近い雄叫びが聞こえる。 強風が草木を揺らし、天候が悪くなる。 先程まで、夕焼け色をしていた空も、 今では、黒い雲に包まれている。 上空を見上げていると、 黒く、鋭い羽で空を舞い、
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