2話:一か八かの賭け

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真っ赤な紅色の目で此方を睨む竜がいた。 「………ワイバーン………」 かつて、勇者パーティーの皆と戦った事があるドラゴンだ。 ワイバーンは湿度が高い所に生息していて、特に、此所ら辺はスライムが多いため、勿論湿度が高い。 被害がつい最近になったのは、 ワイバーンが住み家をこっちに移したからだろう。しかも、運が悪い事に、ワイバーンを一人で倒せたという実績は未だゼロ。 その他にも、ワイバーンは大きな音や、 光が嫌いだ。視力はとても良く、 森林一体を見ることが出来るほど。 魔法を使う時は必ず、魔法陣が現れて、 光を放つため、ワイバーンを怒らせてしまうのだ。 つまり、今さっきの佑樹の行動は、 盛大なやらかしという事になる。 「……魔力量も足りないし、俺はソロ冒険者。完全に詰んでる……だけど」 そこで佑樹が感じたのは絶望ではない。 希望の光だ。醜い執念だ。そして、 交わした約束だ。 「………アイツらに、「ざまぁ」するまでは、絶対に死ねない……!」 【デバフ特化】のボードを開き、 限られた魔力でデバフを作る。 製作に使用する魔力は百中の五十。 使用する魔力も五十。
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