2話:一か八かの賭け

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これで失敗すれば、佑樹は死ぬ。 魔力が尽き、倒れた所を、 ワイバーンに喰い殺される。 一か八かのスキル発動。 腹の底から声を上げた。 「──剥奪──!」 剥奪の効果。 視界に入れた相手の魔力を奪い、 暗黙(視界が遮断)状態にさせる。 ただし、自分の魔力量によって、 成功する確率が決まる。 結果は───────。 「キャイイィィィ゛イ゛イン!」 ワイバーンの凄まじい悲鳴。 視界が遮断された事により、 混乱を起こす。つまり、 「……主人公補正様々って所かな……。まあ、どうせ俺は主人公じゃないけどさ……」 ワイバーンの魔力の平均値は、 数値化すれば、四百。 フレイム・アビスが四回も打てるくらいだ。 「……此処からが、問題だよな……」 限られた魔力で、 空中に舞っているワイバーンに、 フレイム・アビスを発動出来るか。 フレイム・アビスに追尾性はないため、 一直線に炎が放たれる。 地頭で考えなければ、他のワイバーンも、 呼び寄せてしまい、詰んでしまう。 出来れば、一発で済ませたい。 手の平をワイバーンに向けて、 狙いを定める。
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