3話:弱った少女と元仲間

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「……ワイバーンは光や音に敏感で、どんなに小さい衝撃でも、怒らせてしまう……」 「って事は……もう、終わりって事……?」 少女の目が潤んでいる。 体も小刻みに震わせていて、 恐怖に襲われているのが伝わる。 残っている魔力は三百。 フレイム・アビスをもう一回 撃っても良いが、成功するか、どうか。 少なくとも、目の前にいるワイバーンは 火傷状態だ。 そんな時、近くの草むらで、 何かが動く音がする。 「なっ、何……?」 少女の言葉の後に、 草むらからは水色で弾力の ありそうな魔物。 スライムが飛び出していた。 「───そうか……」 そこで佑樹はあることを理解、思い出す。 スライムにテイムを掛けて、 遠くの方に飛ばし、上空に持ち上げる。 そこで、フレイム・アビスを撃てば、 注目はそこに集まるはず。 その隙を狙えば、二人とも 逃げる事が出来る。 「俺に……考えがあるんだ」 この作戦を少女に伝える。 「……分かったわ。けど、本当に上手く行くの?」 「やらない後悔より、やって後悔だ」 佑樹がそう呟くと、 スライムに右の手の平を突き出し、 詠唱する。
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