3話:弱った少女と元仲間

7/14
前へ
/43ページ
次へ
あの後、協力関係になるのだから、 どうせなら、パーティーを組もうという話になった。 「まず、名前を聞かせて貰うけど、リーダーはどっちがするの?」 パーティーには必ず、リーダーが必要だ。 「俺は別にリーダーじゃなくても良いよ」 とりあえず、 此処はアメリに任せる事にしよう。 「なら、私がリーダーね」 「じゃあ、貴方。えっと、名前は……」 「アメリ。アメリ・クラウド──」 アメリがリリエルに名乗ると、 驚いたようにリリエルが目を見開かせる。 「クラウドって……伝説の魔法使いの!?」 「ええ、そうよ。叔父は、伝説の魔法使いのヨハン・クラウド。私はその孫よ」 アメリが自信ありげに言う。 伝説の魔法使い、聞いたことがある。 千年に一度だけ現れる巨大な竜、 ベルトクラムを封印した人物だ。 「近くの村に住んでいるとは噂で聞いたことがあるけど、そのお孫さんとこうして会えるとは……」 リリエルの言葉遣いからしても、 本当に偉大な人なのだろう。 「ま、それ程でもあるけどね」 「あるんだ……」 アメリの言葉に言葉を漏らす。 アメリの自信の強さだけは、
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加