3話:弱った少女と元仲間

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「んー……分かった。これを受けるか」 最近は魔力を一気に消耗しているので、 少々疲労感が酷いのも事実だ。 時々は魔力を使わないで済むクエストも 有りだろう。 「それじゃ、これで決まりね!」 アメリが嬉しそうに声を上げ、 早速、草原に向かった。 「……よし、ようやく五個……」 薬草を探す事、約一時間。 集められた薬草は未だに五個。 「私は三個。何でだろう……いつもなら十個くらい普通に集まるんだけど、」 「……やっぱり、ワイバーンの影響か……」 ワイバーンの群れが、ここら辺付近。 冒険者がクエストを受ける近くの場所に、 引っ越してきたせいだろう。 怪我をしたワイバーンなどが、 傷を癒すため、薬草を集めているのかもしれない。通りで少ない訳だ。 「どうして、ワイバーンがこんな所に移動してくる……?」 深く考えてみるが、答えが分からない。 分からない事だらけだ。 「……考えたくは、ないけど。神龍、ベルトクラムが封印から解かれた可能性があるのかも……」 神龍、ベルトクラム。 かつて、ヨハン・クラウド。 アメリの叔父である、伝説の魔法使いに、 封印されたはずの竜。 その封印が何者からか解かれたとなると、 緊急事態としか言えないだろう。 「仮にそうだったとして、ワイバーンとどんな関係性が……?」 ベルトクラムとワイバーンは、 別個のはずだ。
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