3話:弱った少女と元仲間

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「ベルトクラムは、ワイバーンを生み出した存在と言われている。私のおじいちゃんが、実際にワイバーンとも戦ったと言っていたわ」 アメリのその話が本当ならば、 ベルトクラムはワイバーンを引き連れている可能性があり、 今回ワイバーンが現れたのも、 ベルトクラムが現れたからと言えそうだ。 「……だとしたら、ヤバいんじゃ……?」 少なくとも、今すぐにでも ベルトクラムが街を襲うとしたら、 全てが崩れる。対抗策がないのだ。 「ええ。流石に、もうおじいちゃんは戦える体じゃないし、一つ対抗策があるとしたら、孫の私が、何とかするしかない……」 「アメリが……?」 佑樹が問うと、自信なさげに、 アメリが頷く。 「……私の家では、代々、竜を滅ぼすと言われる魔法が引き継がれていて……もしもの時があれば、クラウド家の最年少が、その魔法を使って、竜を滅ぼさなければならないの」 その言い回し的に、 アメリが最年少という訳だ。 多分、今の彼女はプレッシャーに押し潰されそうになっているのだろう。 「あれ?でも、伝説の魔法使い。アメリのお爺さんは封印していた気がするが…」 竜を滅ぼす魔法なのに、 何故封印なのだろうか。 「………私のおじいちゃんは、適性が無かったの。だから、独学で魔法を研究して、その研究で作られた魔法を使って、神龍を封印したの」 「適性って、やっぱりあるのか……」
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