3話:弱った少女と元仲間

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適性。 つまりは、体と魔法の相性というものだ。 「ちょっと良いか……?」 疑問が浮かび、アメリに質問する。 「何?」 「もし、もし仮に、適性が合わなかったら、アメリはどうする?」 叔父にその魔法を教えて貰うという方法もあるが、年齢が年齢だし、忘れているのではないだろうか。 「………おじいちゃんは、もう…私の事も分からなくなってて、当分教えてくれない……」 その一言を聞いて、佑樹は失礼な事を聞いたと罪悪感を感じる。 「……悪い、聞いちゃ駄目な事だったな……」 「……ううん、大丈夫。まだ封印が解かれたって確信が付いてる訳じゃないし、この街には私以外の冒険者もいる。それに、佑樹もいるし、きっと大丈夫。そう思うわ」 アメリの言葉で、佑樹の中の罪悪感が、 少し薄れた。 「そう、だよな……」 それから、薬草を集めて、 冒険者ギルドに戻った。 「はい、報酬の銅貨六枚ね。やっぱり、 ワイバーンの影響かな、今日は届いてる薬草や魔石の数が少ないの」 リリエルから、報酬を受け取る。 話を聞く限り、やはり、ワイバーンの存在が大きく出ている。 「……ワイバーン……って、アメリ、どうした?」 昨日街に戻った時のアメリの顔は活き活きとした顔をしていたのに、今は、 不安そうな顔で俯いている。 「……何でもないわ、大丈夫…」 アメリがこうなるのも、無理はないか。 自分がもし、同じ立場だったら、 とても重たい責任感を感じるはずだ。
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