3話:弱った少女と元仲間

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「それじゃあ、またね」 「はい、ありがとうございました」 リリエルにお辞儀をして、 冒険者ギルドを出た。 「今日は早く戻れたし、何処か行きたい所があるなら、連れて行くよ?」 街を歩きながら、 ずっと俯いたままのアメリに声を掛ける。 少しでも、楽しいと思える時間を作ろう。 そう思っての考えだ。 「……行きたい、所……」 「うん。何処でも良いよ、服屋だったり、宿で休息を取るのも良いし、アメリが行きたい所、教えてくれるか?」 出来るだけ、武器や防具、神龍をイメージさせるものを控えて、問い掛ける。 「……なら、家に、戻りたい………」 意外な一言を聞いて、目を見開かせる。 「……分かった。道、教えてくれるか?」 それから、アメリの道案内に従い、 アメリの実家に向かった。 「その……ありがとね、本当に……。まだ会って、二日も経ってないのに本当にごめんなさい。少し、冒険者をお休みしようかなって、そう思ってるの。本当に急でごめん……」 確かに、今のアメリの状態では、 冒険者を続けるのは難しそうだ。 責任感を背負いながら、 戦うとなると危険が付き物だ。 「謝らないで良いよ。今はゆっくり休む事が大切だし、また、元気になったら、一緒にクエストを受けよう」 「うん、本当にありがとね……」 アメリの弱々しいお礼だ。 この調子だと、少し心配になってしまう。 「それじゃあ、またな」 アメリに別れの挨拶を告げて、
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