3話:弱った少女と元仲間

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後ろを振り返る。 「うん、またね……」 アメリの返事を聞いて、 佑樹は街に戻った。 「あっ!佑樹!」 街に戻り、宿へ向かっている最中、 懐かしい声に呼び止められる。 振り向けば、そこには、ニアが……。 「……何だよ……」 ノア達とは一緒ではないみたいだ。 じゃあ、一体何故、佑樹に声を掛けたのか。 「何だよって、怖い顔しないでよー!同じパーティーじゃなくても、私達友達でしょ?」 この馴れ馴れしさに腹が立つ。 今までは、親密で優しい奴だと思っていた、けど、あれを聞いた以上、そう思うことは出来ない。 「………何が目的だ……?パーティーに戻れってお願いなら、俺は断らせて貰う」 もう、ノア達の事は信頼も信用も していない。 「…違う。そんな事じゃないよ!ただ、久しぶりに二人で出かけたいなぁって思っただけ!」 「………二人で出かけたい……?」 何を言っているんだ。この女は。 人を散々馬鹿にして、追放しておいて、 友達だから、二人で出かけたいだと? 「巫山戯てるのか……?」 威嚇するように、睨み付ける。 「もうお前らとは、仲間でも、友達でもない。俺にとって、お前らは敵だ……」 ハッキリと言ってやった。 これでもう、むやみに関わろうとは思わないだろう。 冒険者ギルドにも顔を出さないで、 毎日呑気に遊んでいる奴らのために、 自分の時間をくれてやる必要なんてない。
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