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佑樹もその中の一人だった。
ヘルフレイムドラゴンの雄叫びが響く。
地面が揺れ、ドラゴンの周りには炎が
渦を巻いている。
「俺がスキルを使って弱らせる。だから、頼んだよ。ノア!」
「……ああ、分かった!」
いつもの連携で討伐を行う。
命懸けでも、この瞬間が一番楽しかった。
「パラライズ──!」
スキルを使って、デバフ魔法を発動する。
ヘルフレイムドラゴンの口からは
泡が吹き出し、段々と地上に落ちていく。
「今──!」
「ああ、分かってるよ!」
ノアが聖剣を持って、
ヘルフレイムドラゴンに思い切り、
斬り掛かる。
次の瞬間、
ヘルフレイムドラゴンの体には
斬撃が刻まれて、
完全に倒れて動かなくなった。
「ふぅ………かなりギリギリな戦いだった」
「でも、」
ノアが聖剣を仕舞い、此方を。
仲間達を見つめる。
「皆のおかげで、何とか倒せた。ありがとう」
ノアのその言葉に全員が微笑む。
「何言っちゃってんのー?お礼なんてラシくもない」
「全く、世話の焼ける勇者様だ事」
ノアは力もあって、頼れる仲間もいる。
優しくて、素直で、正に主人公だった。
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