1話:【デバフ特化】は最強だった

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アンデッドにはデバフが効かない。 つまりは、用済みという事だ。 確かに、懸命な判断だと、そう思う。 でも、それでも、佑樹は皆と居たい。 自分が力不足なのは充分分かっている。 けど、それでも、 何か力になれるかもしれないのだ。 「……もう一度、考え直して欲しい。俺に、チャンスを与えて欲しい。お願いだ、ノア………」 潤んだ目でノアを見つめる。 それでも、 ノアは視線を合わせる事は無く。 「……ごめん、」 その返しを聞いて、 佑樹は現実の厳しさを再認識する。 今までの楽しかった日々は、 間違いなどなく、 佑樹にとって大切なものだった。 今すぐにでも、泣いてしまいたい。 「お願いだ、頼む」と泣いて、縋りたい。 でも、此処でそんな事をしたら、 更に無力さを感じさせてしまう。 だから、佑樹は涙を堪えて、 立ち上がった。 「……分かった。お前達の決めた事だもんな。頑張れよ、今まで、ありがとな……」 後ろを向き、 冒険者ギルドの出口に向かう。 扉に手の平を付けた時、 後ろから、予想外の言葉が聞こえてくる。
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