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1話:【デバフ特化】は最強だった
「ようやく……終わった」
ブラック企業で働き出して、約五年。
今日も今日とて、仕事に追われて、
気が付けば、夜の九時。
「今日も過酷な残業だったなぁ……」
夕飯を買いにコンビニへと向かう。
最近はずっと九時帰りなので、
自炊してる余裕などないのだ。
「ありがとうございましたー」
コンビニを出て、向かい側にある
マンションに向かうため、信号を待つ。
「ふあぁ……眠い」
帰って、夕飯を食べたら、
お待ちかねのゲームタイムが待っている。
王道のRPGゲームで、唯一の救い。
最近の至福と言えるだろう。
信号が青になった事を確認して、
横断歩道を渡る。
「帰ってゲーム……帰ってゲーム……」
段々と目眩が酷くなってきた。
寝不足のせいか。
クラクションの音が鳴っている。
何処かでトラブルでも起きたのだろうか。
帰って仮眠を取ったら、ゲーム……。
次の瞬間、体に強い衝撃が走る。
体が吹き飛び、宙を舞う。
「あれ……?何が、起こって────」
そこで俺は理解した。
「あぁ……俺、こんな所で死ぬのか……」
頭から、硬いアスファルトに
落下していく。痛いのは嫌だ。
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