人生という名の山を私は登る

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「私…不測の事態に備えて、出かける時オムツ履いてるの」 「…ん、うん」 「だから、ドラマやマンガみたいに盛り上がって(なだ)れ込む様なエッチはできない…」 「あ、えっ…」 「そもそも私は経験がないから面倒くさいだろうし」 「あの、ちょっ…」 「走り回る子供を追いかける事もできない」 「…」 「私とじゃ幸せになれないよ。これまでも、これからも、私は北斗に幸せでいて欲しいから…だから私は……」 キスで塞がれた唇…何コレ、ドラマみたいじゃん。 「俺は別に傾れ込む様なあの…アレコレは求めてないし、経験がない事…に関しては面倒くさいと言うよりもむしろガッツポーズな訳だし…」 「…」 「初美が色々不安で子供を産みたくないならそれで良い。でも、もしも初美がお母さんになりたいんなら、俺はその子のお父さんになりたい」 「…そんなプロポーズみたいな事言わないでよ」 「卒業式の日、告白するつもりだった。告白して連絡先聞こうと思ってた。ずっと好きだった……ついさっきまでは」 「は?」 「今はもう好きじゃなくて、好きとかじゃ全然足りなくて……愛してんの。このまま離したくないってくらいに大切でどうにかなりそうなくらい…」
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