人生という名の山を私は登る

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「え、何…知り合いなの?」 「あ、あぁ…高校の時の」  答えながら北斗が立ち上がる。 「じゃ…」  私は軽く会釈をして慌てて背を向けた。  動揺が顔に出てしまっていないだろうか…。  会いたいって思っていた。  会って、あの時の言葉の続きを聞きたい…って、ずっとそう思っていた。  こんな風になるまでは。  4年前、大学の寮で大雨による土砂災害に巻き込まれて左足の大腿骨顆部骨折(だいたいこつかぶこっせつ)を負った。  後遺障害が残り私の左足は不自由になって、杖無しでは歩く事ができなくなった。  あーあ…最悪。  こんな姿、見られたくなかったや。
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