人生という名の山を私は登る

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「篠宮、また会いたい。連絡先教えて」 「…」  答えもしない。振り向きもしない。我ながら何て嫌なヤツ…。 「篠宮」  肩に手を置かれ立ち止まる。  この足じゃ、走るどころか早歩きさえできやしない。 「昔の知り合いとはもう関わりたくないんだよね…思い出したくない事ばっかり思い出しちゃいそうで。だから、ごめんね。元気でね…矢崎くん」  "拒否"の意を込めた満面の笑顔を向けた。  コツン、ズッ、コツン、ズッ、コツン、ズッ…  賑やかな居酒屋の中、出口に向かってゆっくりと歩いて行く。さぞかし惨めな後ろ姿でしょうよ。  バイバイ北斗。  楽しかったあの頃の私だけを憶えていて…。
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