24人が本棚に入れています
本棚に追加
「篠宮、また会いたい。連絡先教えて」
「…」
答えもしない。振り向きもしない。我ながら何て嫌なヤツ…。
「篠宮」
肩に手を置かれ立ち止まる。
この足じゃ、走るどころか早歩きさえできやしない。
「昔の知り合いとはもう関わりたくないんだよね…思い出したくない事ばっかり思い出しちゃいそうで。だから、ごめんね。元気でね…矢崎くん」
"拒否"の意を込めた満面の笑顔を向けた。
コツン、ズッ、コツン、ズッ、コツン、ズッ…
賑やかな居酒屋の中、出口に向かってゆっくりと歩いて行く。さぞかし惨めな後ろ姿でしょうよ。
バイバイ北斗。
楽しかったあの頃の私だけを憶えていて…。
最初のコメントを投稿しよう!