4人が本棚に入れています
本棚に追加
カプセルを開くためのレバーのようなものは無いかと探ると、手元付近にあったレバーらしきものを見つける。
それを引っ張り倒すと、『シュー』と空気が抜けるかのような軽い音がなり、透明な板部分が下部方向へと移動した。
身体をゆっくりと起こし、周囲を確認する。
荒廃し鉄屑が散らばる土地。
真上は青いが地平線に向かうに連れ黒くなる空。
そして………
"ソレ"を認識した時には私の真横を通り過ぎていた。
―――白銀の弾丸―――
ピリリと紫電を帯びたソレは私の耳元付近をかする。
私は咄嗟にカプセル内に身体を隠す、何故ここまでの反応が出来たのかは分からない。
きっと再度出ればまた私を狙ってくるだろう。
私を狙い撃ってきたであろう者は、近づき私を撃ち抜きに来るのだろうか。
………。
恐怖を感じない。
喉元の穴といい、先程の反応といい、恐怖の感情といい…。
いや…今の私にそんなことを考えている暇は無い。
射手がこちらへ近づいてこないという保証は無いため、素早くここから離脱する必要がある。
ピシっと地面から音がする。
その瞬間、視界は天へ地へ天へ地へと繰り返される。
どうやらここは崖際で、カプセルの重さに耐えられず崩れてしまったようだ。
時に小石にぶつかり身体が宙に浮き、カプセルに身体が勢いよくぶつかる。
最初のコメントを投稿しよう!