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ガタン!!!
大きな音と衝撃がカプセル内に響く。
カプセル内で体勢を立て直し、おそるおそる顔を覗かせると………。
目の前には明らかな人工物が見えた。
黒鉄の柱、それを伝う亀裂のように走る溝、窓のようなものは見当たらない監獄のような場所だ。
現状ここに関する情報がほぼない。
何も知らない状態が続けば、私の死は確約されているようなものだ。
最悪、この人工物を作ったのが敵対存在である可能性を頭の片隅に入れ、警戒しながら接近する。
目と鼻の先程まで接近したその瞬間―――
黒鉄の柱にある溝が水を注がれるように下から上へと水色に発光する。
目の前の壁が歪にヒビ割れ、上下左右に展開していく。
私は唖然とした表情をしていたのだろうか、開いた口が塞がらない感覚がする。
先は電気等が付いてなく、薄暗く細長い空間が続いている。
確実な死より不確実な死の方がマシだ。
そう思いながら私は中へと歩みを進めた………。
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