黒色の基地とPANDORA(α)

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黒色の基地とPANDORA(α)

黒い人工物の中に足を踏み入れると、水色の液体が壁に這わせてある溝を進み、明るく発光する。 ロマンのある秘密基地のようだ。 冷たい床を踏みしめながら真っ直ぐ進んでいると、扉にたどり着く。 入口と同じタイプの扉だ。 近づくと、扉は入口と同じく歪にヒビ割れ上下左右に展開される。 中の部屋は至る所にモニターが配置されており、意味のわからない言語のようなものが上へ上へと動いていた。 モニターの下あたりには様々なボタンやキーボードがある。 特に気になるのは………。 部屋の中央に存在する巨大な受け皿のような形をした機械と、その上で浮かんでいる水色の丸い発光体。 発光体の周囲にはモニターにあった言語が円形にいくつも重なって浮かんでいる。 5m程まで接近すると発光体は強く輝きだす。 『対象者…αを認識………プログラムPANDORAを起動。』 何が起きているのか分からない、唐突に中性的な声が私の耳に触れる。 『初めましてですね、私はPANDORA、ここパンドラの管理者です。』 『困惑しているのですか?無理もないでしょう、最早ロストテクノロジーである私を前にしているのですからね。』 私はハッとし、喉元に指をさす。 『おや、発声装置がくり抜かれているようですね。』 右側から機械の駆動音がする、音のする方へ目を向けると…。 『応急措置に過ぎませんが、外部から発声装置を接続しましょう。』 小指程の機械が、壁から突き出たテーブルの上に置いてある。 『そちらを首の穴に押し込んでください。』 言われた通りに穴に押し込んでみる、すると…。 機械からは無数の小さな線が私の喉元を修復するように広がっていき、多少違和感はあるものの穴を防ぐことに成功した。 「………a…a…あ…声が出る…。」 自分の知らない若々しい声だ。 『声帯部の修復も済んだことですし、改めまして私はPANDORAと申します。』 「率直に…聞きたい…君は何で…ココは何処なんだ…?」 『先程申した通り、私はPANDORAと申します。主に対象者の保護、補佐を目的としております。』 『そしてココは機械の楽園、"地球"でございます。』
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