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白銀の弾丸と人工物(α)
………。
もう朝か…。
うっ…なんだ…?
全身が金属のように硬い………、変な寝方でもしてしまったのだろうか。
ゆっくりと重たい瞼を開く。
目の前には青い空、そして私とその空の間に割り込んでくる透明な板。
ギギギと鳴るかのように、ぎこちなく頭を左右に動かし辺りを確認する。
どうやら私は今白いカプセルに入っているようだ。
何故このような状況なのかと過去を振り返ろうとする。
床に就く前のことを思い出そうとしたのだが、何も思い出せない。
何かが私の記憶に被さっているようだ。
あまり無理に思い出さないほうが良さそうだ、少し頭痛がする。
私は現状打破のため、大声を出し付近に人が存在するのを祈る。
が………、声が出ない。
掠れた息のようなものすらも出ない、元から声なんて機能が無かったかのように。
私は頭同様ぎこちなく両腕を動かし、喉元へと指を当てる。
喉元は人と思えないほど硬く、ど真ん中に人差し指の太さ程の穴がぽっかりと空いていた。
これのせいだと自覚すると共に、何故このような状態にも関わらず私は死んでいないのかと疑問を持つ。
………。
考えていても分からないものは分からない、一旦外に出て周囲に民家等が無いかを捜索してみよう。
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