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僕はまた黒塗りの車に乗せられ中央病院で降ろされた。
「我々の事はくれぐれもご内密にお願いします」
黒スーツの男は一礼して去って行った。
僕はすぐに病院に駆け込んだ。
「あの、発掘調査していた人達はどうなりましたか?」
「…特に異常が診られなかったので、皆さん帰られましたよ」
僕は一安心した。
「大和!どこに行ってたのよ!」
振り返ると麗香ちゃんが怒っているような顔をしている。
「えっ?…いや、僕は別の病院に運ばれたから…」
「…良かった!心配したんだから!」
麗香ちゃんは目に涙を浮かべた。
「…ごめん
すぐに電話すればよかったね…」
「ううん、無事なら良いの…
…でも、有毒ガスが出るなんて思わなかったわ
発掘調査はどうなっちゃうのかな?」
麗香ちゃんは悪しき魂に襲われた事を覚えていない。
以前の時も今回もやっぱり記憶操作されたんだ。
でも、あんな記憶は消えた方が良いのかも知れない。
「う~ん…、ガス騒ぎが収まれば再開されると思うよ」
「ふ~ん、その時はまた助けてね」
「えっ?…助ける?」
「あれ?何で助けるなんて言ったんだろ?
…でも、あそこで何かから助けられた気がするのよね」
麗香ちゃんの記憶が残ってるのかな?
「そ、そんな事ないよ
僕が麗香ちゃんを助けるなんて…」
「そうよね、大和は私より弱いんだから…」
そう言って麗香ちゃんは笑った。
今回も麗香ちゃんを危ない目にあわせてしまった。
僕はもっともっとヒーローとして力を付けて、麗香ちゃんだけじゃなくみんなを守れるようになりたい。
いずれ麗香ちゃんには打ち明けないといけないけど、ガリュシュって厄介な敵が現れた今は、まだ内緒にしておこう。
end
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