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「ふわぁ~、よく寝…」
僕はスマホで時間を確認した。
「だっ!!??」
もう11時だ。
麗香ちゃんや野口から何度も着信が着ていた。
すぐに支度して学校へ向かった。
「今頃来ても午前中の講義は終わったぞ」
野口が呆れ顔をする。
「大和が遅刻するなんて珍しいわね、どうしたの?」
麗香ちゃんが心配そうな顔をした。
「う、うん、昨日ちょっと頑張り過ぎちゃって…」
「なんだ?本当にヒーローになろうとしてるのか?」
野口がからかう。
「そ、そんなんじゃないけど…
次の発掘に参加したいから、少し体力つけないと…」
特訓の疲れを咄嗟に嘘を吐いて誤魔化した。
「…そうか、また発掘に行く気になったんだ?」
野口は少し喜んでいるように見えた。
「あのね、大和…
私もその発掘に着いて行っちゃ駄目かな?」
「えっ?麗香ちゃんが!?」
麗香ちゃんが発掘に興味あるとは…。
「マジ!?麗香ちゃんが行くなら俺も行く!」
「野口くんは来なくて良いわよ!」
「あはは…、でも麗香ちゃんは見学しか出来ないよ」
「うん、それでも良いわ」
麗香ちゃんの為にも、次の発掘調査の参加を手続きしないといけない。
今度の発掘責任者は考古学科の吉永教授で、亡くなった松井博士の友人でもある。
僕も他の発掘現場で何度か一緒になった事がある。
松井博士と同じように日本の歴史に精通していて、あの事件のあった古墳を引き継いで調査してくれた。
僕は参加手続きがてら吉永教授に会いに行った。
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