埴輪マン3 悪しき魂の正体

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発掘当日、麗香ちゃんと現場近くの駅で待ち合わせをした。 「おはよう大和!」 「お、おはよう麗香ちゃん… 行こうか…」 僕と麗香ちゃん一緒に現場へ向かった。 現場に行くと吉永教授をはじめとした調査員の面々が集まっていた。 「教授、おはようございます」 「おはよう、西条くん ん?…あの娘は君の彼女かい?」 吉永教授が麗香ちゃんを見てとんでもない事を言った。 「いやいやいや…、け、見学者の藤原さんです」 僕は全力で否定する。 僕が麗香ちゃんの彼氏になんてなれるわけがない。 「…大和、教授と何話してたの?」 少し離れた所にいた麗香ちゃんには聞こえていなかった。 「え?…は、発掘の手順を…確認したんだ」 「そう…、私は見学しか出来ないのよね? でも、なんかワクワクする!」 麗香ちゃんは興味津々でキョロキョロしている。 発掘が始まると僕は吉永教授と一緒に出土品が並べてあるテントに向かった。 「教授、この壺は何でしょう?」 蓋の付いた壺が幾つも並んでいた。 「うむ、穀物や木の実なんかを入れていたのだろうね」 僕が気になったのは蓋に御札のような紙が張られている事だ。 「この御札って、あの時の…」 僕の嫌な予感が当たった。 「うわぁー!!」 発掘現場から悲鳴が聞こえた。 『大和、悪しき魂だ!』 やはりこの壺には悪しき魂が封印されているんだ。
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