埴輪マン3 悪しき魂の正体

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しばらくは平穏な生活が続いた。 「もうこの辺には悪しき魂はいないのかな?」 『油断はしない事だ どこに潜んでいるか分からないからな』 このまま戦わずにすむなら、それはそれで良い。 僕はやっぱり戦うのは苦手だ。 しかし、奴らは僕の気持ちなんかお構いなしだ。 『大和、向こうだ!』 ハニワンが悪しき魂を感知した。 ハニワンに案内されたのは駅前の商店街通りだった。 「な、何でこんなところで…」 黒い気配を纏った男が看板を振り回して暴れている。 明らかに酔っ払いとは違う。 朝の通勤通学時間帯、逃げ惑う人もいればスマホで撮影している人も多い。 駅前交番から警官も駆け付けた。 「ど、どうしよう… こんな所で埴輪マンが出てったら大騒ぎになっちゃうよ」 『大和、そうも言ってられないぞ 騒ぎは『権力者の使い』がどうにかするだろう とにかく奴を捕まえて別の場所に移動しよう』 僕は人目のない場所で右手を突き上げた。 「変身!埴輪マーン!」 すぐに飛び出したが、警官が悪しき魂に向けて拳銃を構えている。 「と、止まらないと撃つぞ!」 警告を無視して奴は警官に襲い掛かった。 パンッ!パンッ! 警官は2発発砲し、命中した箇所から血飛沫が舞って、辺りは騒然となった。 それでも奴は警官に掴み掛かる。 「止めろっ!!」 僕は警官から引き離し、暴れる悪しき魂を抱えて走り出した。 「人のいない所は!?」 『大和、ビルの上へ飛び上がれ!』 目の前には10階程度のビルがあった。 「これっ!?」 ハニワンの指示通り、半信半疑だが力一杯ジャンプした。
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